<社会を知る>「合コン型」採用と「お見合い型」採用

就職活動はよく恋愛に例えられるが、企業の採用担当者と話していると、企業の採用活動(会社説明)には合コン型とお見合い型があると感じる。

(事例1)某IT企業

研修体制が充実し、月平均残業時間は10時間。風通しの良い組織で社長とも気軽に話せる。大手企業との繋がりも強く安定的な受注を確保している などなど、いわゆるホワイト企業であることをアピール

これは典型的、合コン型採用活動

クリスマスを前に彼女のいない僕は、とにかく彼女が欲しくて街コンに参加した。周りはイケメン、高学歴、高収入ばかり、スペックでは勝てない。とにかく自分の良いところをアピールして興味を持たれないと始まらへん。嘘はいかんが、盛るのはOK。1を100にしてアピールや

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(事例2)某コンサルティング企業

若手のうちから経営者と共に仕事をし、感謝もされる大変やりがいのある仕事。しかし、月平均残業時間は45時間(繁忙期は100時間以上) 人によってはブラック企業?と思われることも。ありのまま正直に伝える

これは、お見合い型採用活動

友達が食事会を開催してくれた。僕は結婚も視野にいれてこの会に臨んでいる。結婚後の生活を考えると、ここで自分をよく見せて結婚しても後で破綻する可能性が高い。相手に合わせることはせず、自分の長所、短所を正直に話そう。

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単純に考えれば採用活動において、「お見合い型」の方がいいに決まっている。これを、肯定する意見も多い。

服部泰宏、2016、『採用学』、新潮社,p92-96では、「お見合い型」のメリットとして以下の記載がある。

・ホントの情報を伝える(リアリティショックの回避)

「ポジティブな情報」を中心に、「多くの求職者」を惹きつけ、その中から「優秀な上澄みの人を選ぶ」という伝統的な採用のあり方へのアンチテーゼとして、ワナウスが提唱したのが「現実路線の採用」だった。一言でいえば、「すべての適切な情報をゆがめることなく求職者に対して伝える」という採用のあり方だ。3つの効果がある。

① ワクチン効果
事前にネガティブなことも含めて接種しておく。現実的に期待できること、できないことを、入社時点から明確にしておくことで、期待の抑制と現実化が起こる
② 自己選抜効果・マッチング効果
事前にリアルな情報開示をすることで、ミスマッチによって入社後に会社を辞める可能性の高い潜在的な離職者たちのエントリーが抑制される
③ コミットメント効果
リアルな情報の提供は、求職者の目には、誠実で正直な企業として映る

上記は研究者によるいわゆる学術書に近い書籍なので、「理論と現実は違うんだ!」という声があるかもしれない。以下は実務家(経営者)が書いた本である。

清瀬一人、2016、『逆転の新卒採用戦略』、幻冬舎、p232

長期的に、一緒に働く仲間になることを前提に採用を考えれば、当初、多少自分を偽って良く見せたとしてもどうせすぐに化けの皮がはがれてしまいます。それならば、最初から等身大の姿を見せて、それでも一緒に働きたいと言ってくれる人だけを採用したほうがよい。もちろん、ありのままの姿を見せることには勇気が必要です。「そんなことをしたら、中小企業には人が来ない」という言い分も十分に理解できます。それでも、人を採用するのは長く働いてもらうためだという原点に立ち返って考えるのであれば、嘘偽りで勧誘するのは得策ではない

とはいえである、「合コン型」も、とりあえず付き合ってみたら、最初のイメージとは違うけど結構いいじゃないかとなる可能性はある。

現実社会では、「合コン型」採用をしている企業が多いことを考えると、一定程度ミスマッチで退職が出ても経済合理性があるのだろうか。

典型的な大量採用、大量退職の例が、大手国内生保の営業職(いわゆる生保レディー)の採用である。様々な批判がありながらも、頭のいい人たちが考えに考え抜いてこの採用方法を長年に渡って継続しているのだから、それなりの理由があるのだろう。

(結論)

どんな採用活動が良いのかわからん。

※『採用学』では、募集の段階では「合コン型」選抜の段階では「お見合い型」にすべきだと書いていると思われる(私の理解では)

<関連する書籍>
採用の方法は、会社の成長ステージが関係あるかも。サイボウズ、サイバーエージェントがブラック企業からホワイト企業への転換したのは有名な話しである。

『チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』青野 慶久

https://www.amazon.co.jp/dp/4478068410

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『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』 曽山 哲人

https://www.amazon.co.jp/dp/4334038077

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投稿者: Yoshitomo-blog

健全なる批判精神を身につけたいと考えブログを書こうと思いたちました。 社会全般、キャリア教育、子育て等を中心に徒然につづりたいと思います いつまで続くかはわかりません。

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